Do! お店インタビュー|GREEN LOFT THE PARK 「グリーン」を生活に取り入れるきっかけづくり
今回は滋賀県草津市にある「GREEN LOFT THE PARK(グリーンロフト ザ パーク)」の店長、佐藤真昭さんにお店の魅力を伺いました。GREEN LOFTさんは琵琶湖近くにある広々とした土地に構えており、施設内にはBBQ場やスケートボードパークが併設してあります。観光地としてももちろん、キッズパークや貸し農園もあるので、付近のお住まいの方々も楽しめます。
実はこの土地には20年前までは草津川が流れていました。「天井川」として草津市内を流れていた草津川は、付近の防災のため長期計画により2002年に廃川。草津市中心街から琵琶湖に向かって7キロにおよぶ河川跡地は6区に分けられ、長年に渡る改良計画が今もなお進められています。そして2017年4月に区間5の「de愛ひろば」と、GREEN LOFTさんのある区間2の「ai彩ひろば」がオープンしました。店内は、溢れんばかりの植物に囲まれ、グリーンを楽しむための雑貨アイテムも勢揃い。店内にあるカフェ「KaimanaLio(カイマナリオ)」は、植物や風景を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごせます。
ドーム型の外観が特徴的なGREEN LOFT THE PARKさん。グリーンと雑貨に囲まれたお店の入り口にはウサギのGURIちゃんがお出迎えしてくれます。
「農と人の共生」を広めていくために
この土地にGREEN LOFTさんが開業したきっかけはありますか?
佐藤氏
私の所属先は主に水質浄化事業をメインとし、近年は陸上養殖事業にも力をいれている会社なのですが、そこのグリーン事業部に所属しています。現在の区間2の事業主である会社と話した時に、当時のボタニカルな商業施設のような、ワクワクするお店を草津川跡地公園に作りたい!と弊社に依頼があったのがきっかけでした。ai彩ひろばのある区間2は「農と人の共生」がテーマ。付近には農家さんが営む田園もたくさんあるので、双方にとって価値のある場所・モノを提供していく場所になれればと思っています。ただ、「農」という名の植物を知らない若年層にどうやって知ってもらうかを課題とした時、まずは「自然」をテーマにすることで、グリーンや園芸雑貨に興味を持ってもらい、「植物」をターゲットにすることで「農」に近づけるようにしました。さらに「農」を知ってもらう為に、敷地内では「貸し農園」の有料サービスも提供しています。
どのような方たちが貸し農園を利用されるのですか?
佐藤氏
貸し農園は、周辺住民よりも街寄り(草津駅周辺)の利用者が多く、お店のついでというよりも農園メインでいらっしゃる利用者さんの比率の方が高いですね。田舎の市民農園の相場はおおよそ年間6,000円くらいと、都心に比べると結構安い価格で提供されているんです。ただ、市民農園を利用する人たちってほとんどが熟練された方々で、広大な敷地を管理するのは、何も知らない人たちにとってはすごくハードルが高いですよね。そこで私たちの貸し農園では月額2,000円~で、無理のない限られたスペースで菜園を体験できます。近隣の生産者の方々にもご協力いただく「野菜づくり教室」も企画中です。私たちが野菜づくりのイロハを伝えて、本格的な「農業」に気軽にチャレンジしてもらうための足がけになれればと思います。
区画整理された貸し農園。スタッフさんも見てくれているので安心です。
グリーンの世界観が変動したきっかけ
この土地で都会的なグリーンを扱うのは、結構思い切ったのでは?
佐藤氏
グリーンの可能性は年々高くなってきています。2021年11月で4周年を迎えたのですが、この4年の間でもお客様のグリーンに対する意識は着実に変わってきています。ほんの数年前までは植物って見向きもされなかった分野なんです。若い人たちが触れていくものでもなかったですし、土いじりなんてもっての外で。アパレルや飲食業界はどんどん進化し続けているのに、園芸業界はおいてきぼり。他業界からの差は当初大きかったと思います。以前はホームセンターのガーデン部門のバイヤーをしていたのですが、そのしこりは強く感じていました。
園芸業界が変動したきたのはいつ頃だと思いますか?
佐藤氏
グリーンの認識が大きく変わったは、SOLSOさんの影響力が当時の園芸業界の固定概念を覆したのは非常に大きかったと思います。川崎市にあるSOLSO FARMさんには当時、半年に1回のペースで通ってましたよ。勉強ではなく、単純に遊びに…(笑)でもそれくらい僕にとってはインスピレーションを受けた場所でした。
近年はお家時間が増えたきっかけで、たくさんの人たちがグリーンに触れるようになりましたよね。植物好きの芸能人やインフルエンサーが増えて、SNSなどを通じてグリーンを紹介してくれたのも大きいです。そういう生活に憧れて、自身の生活に取り入れたい!と思う人たちがグリーンを求めてここへ訪れてくれるので、本当に嬉しいです。
都会の憧れを演出する店内づくり
GREEN LOFTさんの今後の課題や展開はありますか?
佐藤氏
今後とういうか常に、自身の事業コンセプトは『ローカル』、すなわち、地方にあった店舗コンセプトを進化させていくということ。資金があればいくらでもお洒落でカッコいいお店なんか作れると思います。でもローカルは違うと思います。多少、小汚いほうが親しみが出る。地方には地方にあったこれからの、身の丈に合った店舗のクオリティーと敷居、もちろんトレンドも少しずつ理解を深めながら、お客様と共に店を作る。植物も『新しい品種』・『高い品種』・『珍しい品種』だけではない。定番の植物でも鉢を工夫したり、樹形の代り映えもこれからの時代、大事なコト。認識のあるお客様をこれからも大切にして、親しみの持てる商品をセレクトをしていくのも私たちの指名だと思っています。
両者に叶う商品セレクトや見せ方で意識していることとは?
佐藤氏
グリーンのニーズは着実に増えてきていますし、GREEN LOFTに来てくれるお客様も「非現実」を求めて足を運んでくれています。京都府からわざわざ来てくれるお客様もたくさんいるんです。こういう園芸店って都心ではあたり前のようにありますが、地方では全然無いんです。地方に「非現実」の空間があることで驚きや感動が生まれるんじゃないかと。その人たちの為に、常にトレンドをリサーチして、ジャンルの垣根のない植物と雑貨がうまく共存、融合した空間づくりを意識しています。数年前の時代ではとにかく植物メイン!!が当たり前でした。でもこれからは脇役だと思います。気に入った鉢、飾りたくなるお家があるから植物が欲しくなる。特に鉢の品揃え、展開には、常時注力しています。本当に鉢、ガーデンツールは大事かと…DoLABOさんの商品はまさに求めているアイテムが多種多様にあるので、店内の世界観にマッチしやすいです。新しいモノを受け入れられる空間が整っていれば、どんな場所でもその世界観は収まるんです。
グリーンに対する想いを熱く語ってくれた佐藤さん。若い人たちが土をいじることを応援している!とお話ししていました。ローカルの想いを汲みつつ、新しい世界に一歩踏み出すきっかけづくりに挑み続けるその姿勢に、私も見習わねば…と感じました。
遠くには山脈が見え、のどかな田園風景の中に溶け込みつつも、スタイリッシュで温かみを感じるその世界観は、まさにグリーンに対する「憧れ」そのものでした。植物に興味を持っていない方でも十分に楽しめる空間です。
GREEN LOFTさん お取り扱いDo!アイテム
GREEN LOFT THE PARK(グリーンロフト ザ パーク)
住 所 | 525-0061 滋賀県草津市北山田町3268番地1
営業時間|10:00~18:00(定休日:火曜日)
WEBサイト
http://minami-group.jp/greenloft
instagram
@greenloft_official
facebook
https://www.facebook.com/Greenloft-the-park-281577022343009